ディン・Q・レ展:明日への記憶 Dinh Q. Lê: Memory for Tomorrow 森美術館(1)
2015年 08月 29日
森美術館で開催中の ディン・Q・レ展:明日への記憶 を観てきました。
【以下森美術館のサイトからの引用です】ディン・Q・レはカンボジアとの国境付近のハーティエンに生まれ、10歳の時、ポル・ポト派の侵攻を逃れるため、家族とともに渡米しました。写真とメディアアートを学んだ後、ベトナムの伝統的なゴザ編みから着想を得た、写真を裁断してタペストリー状に編む「フォト・ウィービング」シリーズ(1989年~)を発表し、一躍注目されることになります。また、レは綿密なリサーチとインタビューに基づき、人々が実体験として語る記憶に光を当てます。国際舞台への出世作となった映像インスタレーション作品《農民とヘリコプター》(2006年)では、自作のヘリコプターの開発に挑むベトナム人男性を中心に、ベトナム人と戦争との複雑な関係を巧みに描き出しました。
ベトナム戦争終結から40年、日本にとっては戦後70年の節目を迎えたいま、国家や社会の「公式な」歴史の陰で語られることのなかった市井の人々の名もなき物語を読み直しつつ、アートと社会のより密接な関わりを探ることはきわめて重要な課題ではないでしょうか。本展ではディン・Q・レの作品とユニークな活動を通して、私たちの過去と現在、そして未来について考えます。【以上森美術館のサイトからの引用です】
複数の写真プリントを細長く裁断し、それらを縦糸と横糸をあみあげるようにして制作された「フォト・ウィービング」の作品は、ベトナム人の叔母に教わったゴザを編む手法から思いついたものです。
《無題 (#5)》(1998)
カンボジアのポル・ポト派の虐殺によって犠牲になった人々の顔写真と、壮麗なアンコールワット遺跡の写真を編み込んだ作品で、権力、平和、暴力、美などの異なるイメージが混在しながら強い印象を放つ。
《無題(パラマウント)》(2003)(部分)
《無題(二重の女)》(2003)
《無題(「空高く飛ぶ飛行機」シリーズより)》(2004)
《消えない記憶#14》(2000-2001)
《消えない記憶#10》(2000-2001)
《巻物:ティック・クアン・ドック》(2013)
《巻物:ファン・ティー・キム・フック》(2013)
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